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blog : ルイジ・コラーニ(中編)

2005年06月21日

ルイジ・コラーニ(中編)

前編より続く)

「ルイジ・コラーニ/バック・イン・ジャパン」展の展示品を一通り見て回った後、講演会場であるセンターホールへ移動。
適当な座席に座って開演を待つ。購入した図版を眺めたりしていると程無く開演時間になる。
コラーニ氏の登場に先だって、先ずはアナウンスが。「コラーニ先生に『プロジェクターやOHPといった機材を準備すれば良いですか』と確認したところ、『私は手で絵を描きながら喋るので、紙があれば良い』とのことでした」という内容。
なるほど演題にはホワイトボードに模造紙を留めたものが2つ。それをビデオ撮影して演題後方のスクリーンに投影している。

そしていよいよコラーニ氏の登場。模造紙に次々と図を描き乍ら、身振り手振りを交えつつ勢い良くドイツ語で話され、それを通訳する、というスタイルで講演が始まる。
面白いのは、図を描き終わった模造紙には最後に大きくサインを入れるところ。サインを書き終わると、「はい取り替えて」というジェスチャーをされ、それに合わせてスタッフの方が新しい模造紙を留めたホワイトボードと入れ替える、という流れ。どんな簡単な、落書きみたいな図にも(後からエムさんに聞いたところ、一枚だけサインしなかったものがあったらしい)必ず最後にきゅきゅきゅ、っとサイン。

講演の内容はもう本当に喋りたいことを喋りたいように喋る、というもので、先ず最初に「直線というものが如何に不自然で不要なものか(故に私のデザインに直線は無い)」ということを模造紙2枚を使って図示される。
「地球の上にすごく大きな建物を建てると、床も天井も地球の曲面に沿った曲線になる。これをもし無理矢理直線にすると、曲面を描いている地面と干渉することになって大変具合が悪い。そうだろう?」とか「もっと簡単に説明しようか。川があるとしよう。そこに石を投げる。できる波紋は勿論円形。そこで水音が立ったときの音波の伝わる様子は球形。勿論石を投げた時の軌跡も放物線だ。これのどこに直線が存在するかね?」とか。要するに「自然に学ぶ」という自分のデザインスタイルから直線を使ったデザインは生まれない、ということがおっしゃりたいのだと思うけれども、もうこの冒頭だけで面白くてたまらない。
以後、この調子で45分間ずっと描きっぱなし喋りっぱなし。すごいパワーだ。


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